日本エコミュージアム研究会

Japan Eomuseological Society

 
 

Archive for メルマガ

メルマガ99

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 99号   <2015.12.15>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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かつて若い日、映画「2001年宇宙の旅」に胸をときめかせ、その続編「2010
年…」で、ソ連(当時)と米国の雪解けをエンディングに夢見て来た者にとっ
て、日本の宇宙飛行士・由井さんがロシアの船でバイコヌールに帰ってきたと
は、まさに「夢が現実」の様ではありますが、南沙諸島、安保法案、テロの多
発、高齢化社会と思い悩むことばかりの様な現実の生活に取り巻かれての年の
瀬は、息苦しい感さえします。ひとつでもそれこそ夢の様な嬉しいニュースが
聞けることを期待して新年を迎えたいと思います。(N)
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【目次】
1.フィールドワークとエコミュージアム
2.第4理事会議事録(省略)
3.事務局からのお願い
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1.フィールドワークとエコミュージアム
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三橋俊雄
京都に赴任して18年、振り返れば、学生とともに丹後半島の農山漁村を訪れ、
「野に出て生活を学ぶ」フィールドワーク(デザイン?サーベイ)を行ってき
た。そして多くの「地域の先生」たちとの出会いがあった。そこでは厳しい自
然と向き合いながらも逞しく生きる人びとの自然と共生してきた姿や生活技術、
生活文化を学ぶことができた。
その学びは、1998年の桶職人ご夫妻との出会いから始まった。
玄関先の水場には、山から引いた清水が張られた小振りの木桶に小粒の栗が
沈められている。軒先には大きな笊にこの地方独特の細長い茄子と厚肉のピー
マンが並べられ、箕にはいんげんのような野菜が干してある。静かである。生
活の気配はするが、案の定、家にはどなたも居られない。裏山の小道を少し登
ると小さな畑が広がり、はな子さんが畑仕事の最中であった。ひとしきり畑の
作物の話をしてから家に戻り土間から座敷に上がる。ちょうど鉄治さんが桶づ
くりのタガに使う山竹を手に戻ってきた。
はな子さんの冬場の仕事は藁仕事と編み物である。ひと冬の藁仕事は草履2
0?30足、オイソ(ショイコの背ベルト)を人から頼まれて6カケほどつくる。藁
を丸めてオイソをこすりつやとなめらかさを出す「コスリ」の作業がなかなか
辛いそうだ。鉄治さんが作るショイコの背当て部分の縄綯いもはな子さんが行
う。そして筵織りである。一人で筵1枚をつくるのに3日はかかるという。藁
打ちをし、縦糸の藁縄を6尋、64本綯う。両側の少し太めのミミナワを綯う。
横糸に用いる藁は長さ1メートル以上のモチネの藁でないとダメだそうだ。横
糸の藁を途中で繋ぐとできた筵に穴があいてしまうからである。
次に、集落の共同作業についてお聞きした。「クロアゲ(雪が消え落ち葉等
のみぞ掃除)」や「集落の植林(杉の植林、枝打ち、下刈り)」「稲立て(田の水
路の掃除)」などは村中で行う「総仕事」であった。10月の秋祭りはまだ続い
ているが、田植え後に行う「サナブリ(ご苦労さん会)」は家により行わないと
ころもある。「地蔵盆」「2月2日の火祭り(鉄治さんが4歳の時村中が火事
になり、そのことを忘れないように皆で話をする)」「9月1日の風日(台風が
ひどかった頃を思い休む)」「虫送り(太鼓をたたいて、ヌカムシオクッタ、フ
ネガタニオクッタと叫ぶ)」「キツネガリ(キツネガエリイッソウロウといって
狐を追い出す)」などは、今ではもう行われない年中行事である。
戦時中は「ジネゴ(稲穂のようなカヤの実をこいてビンの中で皮を剥ぎ臼で
ひいて団子にしたもの)」を食べたという。隣の「木子」集落との間にある共
有林の雑木を切り、焼き畑をして蕎麦をつくった。次の年には小豆やサツマイ
モをつくった。子牛を連れて行ったら作物を食べてしまったという。炭焼きも
行い、牛に背負わせて1里の山道を運んだそうだ。筵は大切にその寿命が尽き
るまで使い尽くされた。味噌は3年味噌(塩辛い)として大根やゴンボを漬け、
山仕事の弁当のおかずにした。山仕事に箸を忘れたら茅を削って代用した。炭
焼きに行くとき、道の生茶を摘み火であぶり、山の湧き水を汲んで土瓶で飲ん
だという。
今でも土間や納屋には鉄治さん手づくりの竹製ねずみ取りが置かれ、納屋の
糠山の中にはタヌキ取りの仕掛けが潜ませてあった。そばには長いベルト駆動
の脱穀機が置かれ、驚いたことに唐箕が現役で使われていた。
鉄治さんお手製の藁箒、藁たたき用の木槌、枝の曲がり具合を利用したショ
イコや納屋の方杖(ほうづえ)、砥石の台など、自然の造形を道具の形状とし
て見立て活用する「ブリコラージュ(器用仕事)」によるものづくりが生かさ
れていた。
茄子、ピーマン、栗、らっきょうなど、はな子さん手づくりの山の幸の昼ご
飯をごちそうになり、とうとう4時間あまりもおじゃましたであろうか、雨が
ぽつぽつ降り出してきたところで退出することにした。車まで送っていただい
たはな子さんのもつ雨傘は、まわり中がボロボロで、かろうじて真ん中に布が
かかっている程度であった。身なりも質素である。しかし、ご夫婦の暮らし方
や生活環境には、着飾らない自然態の美しさ、力強さ、豊かさが感じられた。
また、自然からのいただきものを大切にし、用のために自らがつくり、寿命が
つきるまで使い尽くす、いわば「使用価値」の世界を見ることができた。そし
て、何よりも、貴重な作業時間を割いて、われわれを暖かく迎え入れてくれた
心の温もりが、これが本当の豊かさの証かと、深く心に残った。
このように、訪れた宮津、京丹後、南丹、福知山、舞鶴などの里山では、自
然の恵みを受けながら自給自足的な身の丈にあった生活が営まれ、海山川の生
業において必要な道具を自らの手でつくり、自然を楽しみ感謝する「普段着」
の生活文化が健在であった。こうした地域に出向き、生活の現場から何かを学
ぼうとするとき、柳田国男は民俗学の立場から、地域のくらしを次のように読
み解いている。「多くの民間伝承は今まで気付かれざりしものの発見、文字以
外の力によって保留せられて居る、従来の活き方、働き方、考え方を、弘く人
生を学び知る手段として観察する。」そして地域調査に当たっては (1)生活外
形・目の採集・旅人の採集、(2)生活解説・耳と目との採集・奇寓者の採集、
(3)生活意識・心の採集・同郷人の採集の3つの視点が重要であると述べている。
このような視点で地域の「光」と出会い、その光を磨き、地域にお返しして
いく活動を続けてきた。私にとってのエコミュージアムの活動とはそのような
ものであり、これからも続けていきたいと思う。(三橋俊雄)
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2.第4理事会議事録(省略)
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「議事録」は、会員に直接送信済に付、WEB上には公開していません。
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3.事務局からのお知らせとお願い
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機関誌20号の発行が遅れ未だ発送できず、会員の皆様には、大変ご迷惑をお
掛けしています。お詫び申し上げます。
≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として
1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。
▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。
(このメルマガへは返信しないでください。)
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日本エコミュージアム研究会   Japan Ecomuseological Society
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〒516-2102 三重県度会郡度会町大野木1968-3 中野喜吉 気付
E-mail:   jimu@jecoms.jp
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口座名義:日本エコミュージアム研究会
郵便振替:00170-0-74380  (会費振込先はこちら)
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メルマガ98

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 98号   <2015.11.30>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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急に寒くなってきました。やっと冬らしい季節?皆さんの地域ではいかがで
しょうか。
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【目次】
1.エコミュージアムは博物館
2.第3理事会議事録(会員のみ)
3.事務局からのお願い
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1.エコミュージアムは博物館
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馬場憲一(法政大学)
日本でエコミュージアムに関わる人に「エコミュージアムは“博物館”です
よ」と言うと、「もちろん、(博物館ということは)知っていますよ。しかし従
来型の博物館とは違いますよね」という言葉が返ってきます。
エコミュージアムの関係者が博物館ということを知っていて、日本ではどうし
てエコミュージアムがミュージアム (=博物館)として理解されず、エコミュー
ジアムというと「まちおこし」「むらおこし」ということが強調され、そのイ
メージが強いのか。日本エコミュージアム研究会(JECOMS)設立時から抱いてい
る私の20年来の疑問です。
そして日本の博物館学界でも「エコミュージアム」を取り上げて論ずること
はほとんどありませんし、博物館関係者、特に「地域博物館」に関係する人の
多くがあまり興味を示すことがないのが現状です(注1)。
私は地域博物館の関係者がエコミュージアムの理念を理解し、その博物館活
動の中に取り入れて事業を展開していけば、日本における「エコミュージア
ム」がまさに名実ともにエコミュージアムと称するに足る博物館として機能し
ていくものと考えています。
エコミュージアムはミュージアムと称する以上、博物館(ミュージアム)機能
を有していなければエコミュージアムにはなりません。それでは博物館(ミ
ュージアム)機能とは何でしょうか。ご存じのようにICOM(イコム=国際博物館
会議)等では、博物館(ミュージアム)は資料の収集・保存(注2)、調査・研究、
展示、教育普及の機能を有している非営利機関と定義されています。
このような視点からみていけば、日本の「エコミュージアム」においても、
しっかりとした資料の収集・保存、調査・研究、展示、教育普及の博物館機能
を有していることがまず求められると思います。反対に明確な博物館機能を有
していなければエコミュージアムとは言い難いのではないでしょうか。従来、
ややもするとエコミュージアムの最初の提唱者であるジョルジュ・アンリ・リ
ヴィエールの「発展的定義」を根拠としてエコミュージアムが本来有していな
ければならない博物館機能を無視し、また否定して論じるエコミュージアム関
係者がいますが、これは本末転倒の議論のように思います。さらに言えば、エ
コミュージアムは研究・教育機関であり、「まちおこし」「むらおこし」に短
絡的に結びつけて論じることは、エコミュージアムに対する誤ったメッセージ
を発信することになると思います。
———————-
(注1)地域博物館とは、厳密な意味では「地域に生活する人びとのさまざまな
課題に博物館機能を通してこたえていくことを目的とする」地域志向型の博物
館と定義されています(伊藤寿朗『ひらけ、博物館』岩波ブックレット)。筆者
はその地域博物館の目的を実現できる施設としては、主に基礎的自治体が設置
する「郷土博物館」、「郷土資料館」「歴史民俗資料館」「郷土文化館」など
と称する博物館であり、フランスで誕生したエコミュージアムもそのような博
物館の延長線上にその活動を位置づけることができると考えています。
(注2)日本の「エコミュージアム」関係者は、資料の「収集・保存」という行
為を否定して論じていますが、フランスのエコミュゼでは動産的資料について
はコア施設で収集し、膨大なしっかりした目録を作成し資料を保存・公開して
います。                          (馬場憲一)
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2.第3理事会議事録(会員のみ)
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3.事務局からのお知らせとお願い
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≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として
1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。
▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
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メルマガ97

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 97号   <2015.09.23>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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異常な気象に戸惑い大きな被害に見舞われた夏でした。
「エコミュージアム海外セミナー」が行われました。参加者の皆さんの感想、
報告は11月の全国大会の時に聴きたいものです。
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【目次】
1.全国大会in石巻の日程おしらせ
2.「エコミュージアム海外セミナー」に参加して
3.事務局からのお願い
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1.全国大会in石巻の日程おしらせ
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今年度は、宮城県石巻市です。4年を過ぎた被災地で、何を残し、何を新しく
すべきか訪問者の目で考えてみましょう。
日程:2015/11/14(土)~11/15(日)
場所:宮城県石巻市
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2.「エコミュージアム海外セミナー」に参加して
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宮川流域エコミュージアム・中野喜吉
私は去る8月下旬に8日間ベルギーとフランスへエコミュージアムを訪ねる
旅に当研究会のメンバーと共に参加しました。「エコミュージアム」発祥の地
でどんな風にとらえられているか、どんな形で運営されているか期待しながら
観光旅行でないヨーロッパの田舎町を巡りました。結論から言えば、1「やっ
ぱりそうか」と思う点と、2「いいや日本での取組みの現状を思えばこっちの
方が胸を張って『エコミュージアム』を大きく叫んでいいんじゃないか」と考
えることもありました。
最初にエコミュゼ:仏(エコミュージアム:英)の言葉を発したのが博物館
学の先生なら「博物館」の延長、拡大的な発想のたまものであって当然だろう
との思いがありましたので「やっぱり」です。事実、訪問先はそのイメージで
した。一方住民の参加の様子を比較してみると、日本の方がより積極的な参加
が図られている感じがしました。これは「日本エコミュージアム憲章」の影響
?そう考えた先生方の意向の結果?
明治維新以来、高下駄に山高帽、障子ふすまの部屋に椅子を並べる等、時に
はちぐはぐも噛み砕き、塗り込めてきた上に、私達の和洋折衷の今の日本文化
が出来た事を考えると、日本には「日本型のエコミュージアム」があってもい
いかとも思います。住民の参加についての受け取めは私が実際に地域の博物館
活動に参加している中においても「住民の参加なくして何が博物館か」との思
いです。歴史的に貴重な古文書などを収集するにしても、又膨大な収蔵品を整
理するにしても、住民の積極的な参加や、時には学芸員よりもより深い知識を
持った市井の研究家の協力なくして何が出来るかです。また、経済的な運営効
率だけを考える意識の低い文化行政、これらを考え合わせた上で広い意味での
博物館「エコミュージアム」の考え方は、今重要な時代と思います。この点に
おいては、日本の住民参加の方向は、良いんではないかと思っています。
しかし1つ目の点、日本での現在の様子をみて見ると多分に博物館を忘れた
「村おこし、町おこし」的な部分も目につきます。実際、私達の「宮川流域エ
コミュージアム」においてもある年の総会の折「もっと金儲けに繋がる活動を
・・・」の声がありました。「それは商工会なんかで考えれば・・・」との声
で幸い現在は、まったくのボランティアによる純粋(?)な文化活動として続
いています。どの地域においても継続した活動を望む時、運営の為には文化度
の高い行政の理解と支援が不可欠です。一時の関心ある首長の旗振りによる盛
り上がりだけで終わらせず永続的な活動とするには今後どうすればいいでしょ
うか。先進地の活動の様子を見て、こちらでの活動を考えさせられました。
(中野喜吉)
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3.事務局からのお知らせとお願い
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機関誌の発行が遅れて、ご迷惑をお掛けしています。今少しお待ちください。
≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として
1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。
▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。
(このメルマガへは返信しないでください。受信できません)
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メルマガ96

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 96号   <2015.08.16>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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今年も8月15日がやってまいりました。特に70年目、ひときわ思いの深い終戦
記念日ですが、若い皆さんは、どんな思いをめぐらせる事が出来たでしょうか?
戦後生まれの私ですが、叔母が空襲の焼夷弾でのケロイド状の足を隠すため、一
切スカートをはかない事を見ています。「積極的平和外交」には、総理のより誠
実な言葉で記念日を迎える事を期待したのですが・・・
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【目次】
1.全国大会in石巻の日程おしらせ
2.8月に思う エコミュージアムと戦争と平和
2.事務局からのお願い
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1.全国大会in石巻の日程おしらせ
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今年度は、宮城県石巻市です。例年のような地元の方のお迎えの形式ではなく、
研究会会員が地域を訪ねて自分たちの目で地域を深く見つめる旅のような形に
なるかもしれません。
日程:2015/11/14(土)~11/15(日)
場所:宮城県石巻市
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2.8月に思う エコミュージアムと戦争と平和
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大原一興
8月は、私たちの生きてきた歴史の中で、戦争という事実が日常ににじり寄
ってくるのを意識し生き方を考え直す重要な月である。今年は戦後70年の節目
でもあり、独断専横の政治の動きも気になるところで、なおさら真剣に考える
必要がある。毎日世界が直面している戦争と、とりあえず平和に見える日本社
会とは、同じ地球上で連続して存在し時間を共有していることを、つまり、世
界はつながっていることに気づく姿勢は、エコミュージアムを進める上で大事
な視点であろう。私は、エコミュージアムごっこにすぎない「エゴミュージア
ム」に終始してしまってはいけない、とつねに思っている。80年代のフランス
でも小さなホームランドとして閉ざされたエコミュージアムにならないよう警
鐘が鳴らされてきた。仲間内で自己満足に陥らないよう、世界がつながってい
る中で自分たちの領域が存在することを自覚しないといけない。
国境そのものをテーマにしたエコミュージアムをいくつか訪ねたことがある。
もともと地形・地質、自然環境が共通する土地の中で住む人たちが、たまたま
政治的に分けられていき別々の文化を創っていった歴史を知ることは、自分た
ちのアイデンティティを確信する上で必要なこと。民族の文化、その独自性を
根拠におくのが、エスノロジーを基にしたエコミュージアムの本質である。し
かし、しばしばその独自性は、お互いに侵略しあってきた不愉快な歴史によっ
て成り立つこともある。台湾の北投のエコミュージアムでは、日本軍が統治し
たことによって生活文化が変化し、その結果の現在があることを認め、排日運
動を含め議論が繰り返され、「北投学」という地元学として学習がおこなわれ
ている。世界の至るところでみられる植民地の歴史は、文化の交流や融合とい
った体裁の好い言葉では言い表せないほど、対立・攻撃・暴力がうずまく。過
去の事実だが、その怨念ややるせなさはまた、庶民に内在する重要な無形の遺
産でもある。第二次大戦の記憶としてベルリンには、「ベルリンの壁」のサイ
トミュージアム、ホロコーストの記念碑、さらにユダヤ博物館ではユダヤ文化
とその受けてきた迫害の歴史、またユダヤ文化の誇りが、きちんと市民に知識
と情報の形として記憶を伝えている。
日本エコミュージアム研究会の設立は1995年のこと。アメリカ合衆国では、
スミソニアン博物館がちょうど終戦後50年目の企画展として準備されていた
「B29エノラ・ゲイ」展が、退役軍人会ほかからの強烈な抗議によって、政治
的に中止に追い込まれた直後のことであった。凄惨な被害事実を米国民に広く
知らしむるために奔走した学芸員たちの意思とは裏腹に、あたかも原爆は日本
を救って平和に寄与したかのような言われ方が優勢となったのである。この国
の首相の言説である「次世代に謝罪させたくない」ばかりか、自らの加害の事
実をもすり替えるほどの、過去を葬る傲慢な論理に、当時の博物館の世界は大
きく揺れた。故新井重三会長が、研究会のあいさつの場面で、この問題をどの
ように評価すべきなのか、われわれの記憶とは一体何なのか、と問いかけたこ
とをはっきり覚えている。
いま、朝鮮半島北緯38度線のDMZ(非武装地帯)に、1953年から立入り禁止
区域のために結果的に保護されてきた豊かな自然環境と、その地での創造的な
芸術を付加するエコミュージアムの活動がひっそりと始まっている。これはも
はや過去の戦争の歴史ではなく、現在進行形の政治的対立そのものがテーマと
なる領域の出来事で、対立と緊張の中から平和という概念を生み出すこともで
きるのではないかと期待して見守っている。
関東周辺で戦跡のネットワークを作ろうという動きもある。8月に限らず、
エコミュージアムで戦争を考えることは必要なことだと思う。なぜなら戦争の
記憶が将来の平和をつくることになるから。それが、過去から未来へ、記憶の
前進というキャッチフレーズなのだろう。               (大原一興)
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3.事務局からのお願い
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≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
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下さい。
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メルマガ95

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 95号   <2015.08.05>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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連日の猛暑に負けないためには、しっかり体調管理することが重要です。
充分に睡眠をとって、暴飲暴食しない様に心がけましょう。
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【目次】
1.総会及び研究大会開かれる
2.防災とエコミュージアム-ささやかな日常の中で-
3.事務局からのお知らせとお願い
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1.総会及び研究大会開かれる(一部省略)
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日本エコミュージアム研究会2015年度の第2回理事会及び総会
○会 場:大阪・桃山学院大学梅田サテライト
〇日 時:2015年6月21日(日)10:00~12:00 理事会
〇              13:00~13:30 総会
●研究発表会
担当の井上敏理事(桃山学院大学)の進行で以下のような発表が行われました。
○発表プログラム
江水是仁(東海大学)
「学芸員養成課程から見たエコミュージアムを活用する意義」
林依蓉(京都府立大学大学院生)
「台湾原住民Taromak族における遊び仕事研究
- 生活に密着した植物採集事例を通して -」
市川寛也(筑波大学)
「四国の秘境・山城大歩危妖怪村におけるウチとソトのまなざし
―物語ソフトの消費から物語創造への構造転換」
川邉咲子(金沢大学大学院生)
「能登半島における農具文化の連続性と新たな価値創造
~地域住民による農具の所有・活用状況の分析を通して~
○事例報告
中野喜吉(宮川流域エコミュージアム)
「全国大会から10年」として、立上時からの経過と共に現状の紹介
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2.防災とエコミュージアム-ささやかな日常の中で-
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岩橋恵子(志學館大学)
長かった雨がようやく止んだ。今年の鹿児島の6月初旬から7月にかけての雨
の量は例年の2倍以上と尋常ではなく、大雨による土石流の光景も多く見られ
た。同じ町に住む知人の家の敷地内でも地滑りが起こり、ひとごとでない思い
であった。鹿児島は、こうした水害だけでない。桜島・霧島山をはじめとした
火山災害、台風災害、それに加えて近く再稼働が予定されている原発まであり、
その災害も無縁ではない。災害先進県は、それゆえ防災先進県でもあってほし
いが、現実はなかなかそうはなっていない。
そんな折りだったからだろう。いつもの通勤途中で、ある石碑が目に留まっ
た。「水害復旧記念碑」だ。今から20年以上前、この地で起こった大水害の悲
惨な状況と、それにもかかわらず機敏な対応で最小限の被害に止めたことを記
し、再びこのようなことがないようにとの強い願いが記されている。これを見
たとたん、ただ美しいだけの海辺の景色が、厳しい環境の中での住民の生活の
息づかいが感じられるものに一変した。
災害が起こると、研究者やジャーナリストたちは、それを記録や論文として
書き起こし、今後に生かそうとしてきた。そして被災地住民たちもまた、記録
と教訓を後世に伝えようとした。しかも、彼ら住民は、災害の起きたまさにそ
の場に残し伝えようとしたのだ。それが災害石碑であり、自らの生活との関わ
りで災害を記録し教訓を伝承できる重要な現地遺産だ。だがそれは、どこまで
教訓として生かされてきたか、遺産として伝承されてきたか。私自身も、通勤
途中にあった石碑が、何年間も全く目に入らなかったのだ。
それで災害石碑について調べてみたところ、鹿児島は災害県らしく(?)災
害記念碑が数多くあることがわかった。例えば今から100余年前の桜島の大噴
火のときに建立された石碑は、わかっているものだけで70箇所もあるそうだ。
しかし、それらのいくつかは誰にも気づかれることもなくひっそり建っている
という。災害は忘れた頃にやってくるとすれば、「災害は忘れなければ防げ
る」とは、鹿児島の火山学者の言。石碑には、災害に対して私たちが心してお
くべき環境と人間の関わりの物語が詰まっている。それを現地遺産として生か
せば、エコミュージアムは、防災活動の一翼を担うことができるはずだ。
今年のエコミュージアム全国大会は、岩手が会場である。エコミュージアム
のもつ防災力への可能性を考えながら参加したいと思っている。(岩橋恵子)
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3.事務局からのお願い
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メルマガ発信が遅れ、お待たせをしてしまいました。
毎号理事からの原稿ですが、会員の皆様の積極的な投稿をお待ちしています。
≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として
1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。
▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。
(このメルマガへは返信しないでください。)
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日本エコミュージアム研究会   Japan Ecomuseological Society
事務局:
〒516-2102 三重県度会郡度会町大野木1968-3 中野喜吉 気付
E-mail:   jimu@jecoms.jp
ホームページ http://www.jecoms.jp
口座名義:日本エコミュージアム研究会
郵便振替:00170-0-74380  (会費振込先はこちら)
銀行口座:ゆうちょ銀行 店名:二二八(ニニハチ)普通預金 1624950
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メルマガ94追補

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 94号追補版 <2015.06.17>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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メールマガジン94号の[1.総会及び研究大会プログラム]中、プログラム部分を、
以下の様に追補いたします。
—————————
○発表プログラム 14:00~15:20
江水是仁(東海大学) 14:00~14:20
「学芸員養成課程から見たエコミュージアムを活用する意義」
林依蓉(京都府立大学大学院生) 14:20~14:40
「台湾原住民Taromak族における遊び仕事研究
- 生活に密着した植物採集事例を通して -」
市川寛也(筑波大学) 14:40~15:00
「四国の秘境・山城大歩危妖怪村におけるウチとソトのまなざし
―物語ソフトの消費から物語創造への構造転換」
川邉咲子(金沢大学大学院生) 15:00~15:20
「能登半島における農具文化の連続性と新たな価値創造
~地域住民による農具の所有・活用状況の分析を通して~
○事例報告 15:20~16:00
中野喜吉(宮川流域エコミュージアム)
井原満明(㈱地域計画研究所)
(このメルマガへは返信しないでください。)
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日本エコミュージアム研究会   Japan Ecomuseological Society
事務局:
〒516-2102 三重県度会郡度会町大野木1968-3 中野喜吉 気付
E-mail:   jimu@jecoms.jp
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口座名義:日本エコミュージアム研究会
郵便振替:00170-0-74380  (会費振込先はこちら)
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メルマガ94号

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 94号   <2015.06.15>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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まもなく総会と研究大会です。(6月21日・日曜日)
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【目次】
1.総会及び研究大会プログラム
2.エコミュージアム海外セミナー
3.東日本大震災とエコミュージアム
4.事務局からのお知らせとお願い
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1.総会及び研究大会プログラム
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〇会 場:桃山学院大学「梅田サテライト」
〒530-0001 大阪市北区梅田1-12-17 梅田スクエアビルディング(8F)
TEL 06-6131-8981
梅田サテライトは梅田の阪神百貨店の建物の裏側の、1階にタリーズコーヒー
が入っているビルの8階。
阪神百貨店の建物を探しながら、タリーズの看板を目印に。
〇日 時:2015年6月21日(日)
13:00~14:00 総会
14:00~16:00 研究発表会
16:00 解散
〇担当理事:井上 敏(桃山学院大学)
○発表プログラム
江水是仁(東海大学)
「学芸員養成課程から見たエコミュージアムを活用する意義」
林依蓉(京都府立大学大学院生)
市川寛也(筑波大学)
「四国の秘境・山城大歩危妖怪村におけるウチとソトのまなざし―物語ソフト
の消費から物語創造への構造転換」
川邉咲子(金沢大学)
「能登半島における農具文化の連続性と新たな価値創造~地域住民による農具
の所有・活用状況の分析を通して~
○他に事例報告等
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2.エコミュージアム海外セミナー
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ブリュッセル・パリ8日間 【出発】2015年8月24日~【帰国】8月31日
○1日目
8月24日(月)関西空港発 10:15日本時間 LH741便フランクフルト着15:00
(所要時間:約12時間)  昼食:機内
乗り継ぎ フランクフルト発 ブリュッセル着 夜(所要時間:約1時間)
着後、専用車でホテルへ (ブリュッセル泊)
○2日目
8月25日(火)
ブリュッセル~ラ・ルーヴィエル 午前 55km
「Ecomusee du bois du luc」視察 午前:プレゼンテーション
午後:ミュージアム見学   ホテルへ (ラ・ルーヴィエル泊)
○3日目
8月26日(水)
ラ・ルーヴィエル 「Ecomusee de Viroin」視察
午前:プレゼンテーション
午後:ミュージアム見学   ホテルへ (ラ・ルーヴィエル泊)
○4日目
8月27日(木)  ラ・ルーヴィエル~フルミエ
14:30  16:30 「Musee du Textile(フルミエ)」視察
14:30~15:30 プレゼンテーション
15:30~16:30 ミュージアム見学+ガイディングツアー
ホテルへ (フルミエ泊)
○5日目
8月28日(金)  フルミエ~パリ 10:00 11:30 (210km)
「Musee du verre(トレロン)」視察
ミュージアム見学+ガイディングツアー 着後ホテルへ (パリ泊)
—ここまで専用車利用—
○6日目
8月29日(土)  パリ
終日 フリータイム (パリ泊)
○7日目
8月30日(日)
午前 空港へ(送迎は含まれておりません)
パリ発 空路、フランクフルトへ(所要時間:約1時間半)
乗り継ぎ フランクフルト発  13:30 LH740便 帰国の途へ(機内泊)
○8日目
8月31日(月)  朝食:機内 関西空港着 7:20(日本時間) 着後、解散
※利用予定航空会社:LH(ルフトハンザ・ドイツ航空)、
※この日程表に記載の内容は、天候や交通渋滞、休館日等の現地事情、
交通機関の都合により変更となる場合があります。
食事:朝食のみホテルで、昼夕は各自。
費用約37万円(燃料代含む)+3万円(ガイド料等)=約40万円
申込受付:6月24日(水)まで。
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3.東日本大震災とエコミュージアム
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イーハトーブ・エコミュージアム研究会 今橋克寿
多くの人々の人生をすっかり変えてしまった、平成23年(2011年)3月11日
に発生した東日本大震から、4年3か月が経ちました。巨大地震と津波により、
東北の太平洋岸は自然も町も、その景観や営みが大きく変貌しています。生き
ている地球によってもたらされた千年に一度という大災害に遭遇した私たちは、
被災者、支援者、その他いずれの立場にしても、同時代のこの出来事の当事者
として、多様なかたちで復興の途上にある人々や自然とあらためて出会い、か
かわり、つながり、その記憶のバトンを次代へとしっかりと手渡していく使命
を担うことになったのではないかと考えます。阪神淡路(1995年)、新潟中越
(2004年)、能登(2007年)と続いた近年の震災からの教訓は、東日本大震災
でも確実に生かされた面もあるでしょう。同時に、まだまだ活かしきれていな
いこともたくさんあります。
私がこの3年あまり当地岩手県沿岸の宮古市でお世話になる中でも、復旧・
復興の不断のいとなみが多くの人々によって多彩に繰り広げられていることが
よく見てとれます。例えば、環境省方面ルートで『三陸復興国立公園』や震災
遺構活用、文部科学省方面ルートで『三陸ジオパーク』と世界文化遺産活用、
国土交通省・観光庁ルートで『三陸鉄道』などを活かしたインバウンドのツー
リズムがあります。それらと綾なすように、地元の岩手大学や県立大学はじめ
国内外の大学や研究機関の方たちが、それぞれのスタンスでかかわられていま
す。
震災以前にはなかったそのような追い風や潮流を受けて、地域の資源を見直
し、その価値を活かしたまちづくりの経験を少しずつ積み上げてきた地元の市
民セクターの動きも、しだいに見え始めてきました。いよいよこれからは、そ
ういうNPO団体や三陸の志士たちと、彼らをしっかりカウンターパートとし
て位置づけタッグを組んでくれる寄り添い型の協力団体や個人らとの、言わば
『同志の糾合』が起ってくるようです。試行錯誤のなかで、それらの成長発展
や淘汰が繰り返されるフェーズ。今と当面の間に、周囲で起っていくことをそ
んなふうに見ています。
今秋のエコミュージアム全国大会が、石巻市で開催されることは、東日本大
震災で最大の被災地となった同市の人々にとっても、持続可能なまちづくりを
めざす私たちのエコミュージアム活動にとっても、有意義なことだと期待して
います。
(今橋克寿)
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4.事務局からのお願い
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締切まじか(6/24)ですが「エコミュージアム海外セミナー」ガイド料、バス
代等割勘部分あり、一人でも多くお知り合いをお誘いして下さい。
≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として
1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。
▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。
(このメルマガへは返信しないでください。)
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日本エコミュージアム研究会   Japan [...]

メルマガ93号

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 93号   <2015.05.15>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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早い時期の台風も来ました。黄砂も来る季節ですが、新緑の中、自然により
近づくいい季節を逃さぬ様に五感で感じましょう。
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【目次】
1.総会及び研究大会のご案内
2.フランス方面・研修旅行に出かけましょう。
3.エコミュージアムの活動(プロジェクト)と仕組づくり(システム)
4.事務局からのお知らせとお願い
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■■■■■============================================================
1.総会及び研究大会のご案内
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来月は、恒例の総会と研究大会です。
下記の要領で発表者を募集いたします。奮ってご応募下さい。
〇会 場:桃山学院大学「梅田サテライトキャンパス」
〒530-0001 大阪市北区梅田1-12-17 梅田スクエアビルディング(8F)
TEL 06-6131-8981
〇日 時:2015年6月21日(日)
13:00~14:00 総会
14:00~16:00 研究発表会
16:00 解散
〇担当理事:井上 敏(桃山学院大学)
<1>研究大会を総会と併せて開催いたします。
<2>それに伴って、研究発表者を公募いたします。
1.研究発表の申し込み締め切り:2015年6月10日(水)
2.発表の申し込み内容
○自由研究発表の応募について
(1)研究内容 エコミュージアムに関する研究
(2)応募資格 本研究会会員または複数の発表者の場合、本研究会の会員が含
まれていること
(3)申し込み必要事項
発表題目、氏名、連絡先(住所、電話、FAX、E-mail)、所属(勤務先)、
および 発表時の使用希望機器、200字程度の簡潔な発表要旨。
○送付先 e-mail:s-inoue@andrew.ac.jp
※発表者には、後日、機関誌『エコミュージアム研究21号』への論文、報告
として投稿していただきますので、よろしくお願いします。
(担当理事:井上 敏)
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2.フランス方面・研修旅行に出かけましょう。
============================================================□□□□□
エコミュージアム研修旅行
(コースの詳細な点は訪問相手先の都合等で変更される場合あります。)
ブリュッセル・パリ8日間
出発 2015/8/24(月)08:15集合
帰国 2015/8/31(月)07:20帰着
1 8/24(日本時間)
関西空港10:15発 LH741便フランクフルトへ約12時間
乗り継ぎしてブリュッセルへ約1時間
ブリュッセル泊
2 8/24(現地時間、日本では8/25)
ブリュッセル~ラ・ルーヴィエル 専用車で55km
エコミュージアム視察 Ecomusee du bois du luc
(ラ・ルーヴィエル泊)
3 8/25(現地時間)
ラ・ルーヴィエル
エコミュージアム視察 Ecomusee du Viloin
(ラ・ルーヴィエル泊)
4 8/26(現地時間)
ラ・ルーヴィエル14:30~16:30フルミエ
エコミュージアム視察 Ecomusee du Textile (フルミエ)
(フルミエ泊)
5 8/27(現地時間)
フルミエ10:00~11:30パリ 専用車210Km
エコミュージアム視察 Ecomusee du verre(トレロン)
(パリ泊)
6 8/28(現地時間)
パリ
終日フリータイム
(パリ泊)
7 8/29(現地時間、日本時間8/30))
パリ発フランクフルト乗り継ぎ
フランクフルト発 13:30 LH740
(機中泊)
8 8/31(日本時間)
関西空港 07:20着
●参加者のまとめ
6月24日(水)までに事務局へ。
滞在中の視察地移動は専用車(バス)
●旅費は40万円程度。
詳細は、決定次第連絡します。
●時差は日本時間マイナス7=中央ヨーロッパ時間(サマータイム)
(例:日本時間 07:00 JST=0:00 CET)
■■■■■============================================================
3.エコミュージアムの活動(プロジェクト)と仕組づくり(システム)
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井原満明/㈱地域計画研究所
最近、仕事先でエコミュージアムに類した地域づくりに良く出会います。よ
くよく聞いてみると、「エコミュージアムという響きがよいから」「なんとな
く地域まるごと博物館というイメージがよいから」などとの答えが返ってきま
す。「うぅん?」と首をかしげることもありますが、「エコミュージアム」と
いう名前がそこまで広がっているのかと思うとまんざらでもない感じがします。
これがきっかけで、エコミュージアムの勉強会が開かれた地域もあります。確
かにエコミュージアムの取組みが広がっているという実感もありますが、一方、
エコミュージアム研究会では20か所で全国大会を開催してきました。その中に
はすでに解散したのかどうか、自然消滅したところも少なくはありません。
「継続は力なり」とは言うものの、エコミュージアムは生きた活動であると
考えれば、解散することや自然消滅することも当然のことで、かえって継続や
持続することを目的とする活動よりも、ある一定の役割を終えたら次の展開に
進むことも大切なことです。
また、地域づくりでは、当初立ち上げたメンバーたちは「産みの苦しさ」を
味わい、継続するにつれて「育ての苦しみ」に変化していき、その過程で後退
し、衰退したり、自然消滅したりするケースが少なくありません。特に日本の
住民活動にとって中心的なメンバーの交代時期には、組織そのものの存続が危
ぶまれることも良くあることです。
地域づくりを考えると、活動そのもののあり方とともにそれを支えていくあ
るいはそれを推進していく組織(仕組み/システム)のあり方も重要な要素を
持っていると考えています。
エコミュージアムの運動(活動)では、その取り組みは地域性を持っており
様々なかつ多様な活動があることは言うに及びませんが、そのための仕組みが
とても弱いのではないかと考えることがあります。仕組みづくりについては改
めて報告したいと思いますが、英国の地域づくりの仕組みの基本は、「住民」
と「民間(企業)」と「行政」が地域でパートナーシップを構築することです。
日本のエコミュージアム活動にとってどんな仕組みを作ったらよいのか、こ
れからの課題だと思っていますし、20年を迎えたエコミュージアム研究会では、
活動(プロジェクト)の内容よりもそれを支える仕組みづくりのあり方に取り
組むことも重要な時期にあるのではないかと考えています。
(井原満明)
■■■■■============================================================
4.事務局からのお願い
============================================================□□□□□
海外研修旅行については、参加人数により参加費用が変わります(バス代、ガ
イド料等の割り勘部分)。お知り合いをお誘いして下さい。
≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として
1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。
▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。
(このメルマガへは返信しないでください。)
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事務局:
〒516-2102 三重県度会郡度会町大野木1968-3 中野喜吉 気付
E-mail:   jimu@jecoms.jp
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口座名義:日本エコミュージアム研究会
郵便振替:00170-0-74380  (会費振込先はこちら)
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メルマガ92号

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 92号   <2015.04.15>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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桜の花が散った地域に、予想外の寒さが訪れています。東北の災害の日からも
う4年目を迎えてしまいました。再興へのそれぞれの努力に応援したいです。
=======================================
【目次】
1.全国大会in石巻の日程
2.エッセイ「記憶」と「衝撃」
3.事務局からのお知らせとお願い
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■■■■■============================================================
1.全国大会in石巻の日程
============================================================□□□□□
今年度は、宮城県石巻市です。例年のような地元の方の盛大なお迎えの形式で
はなく、研究会主催の地域を訪ねて自分たちの目で地域を深く見つめる旅のよ
うな形に近いかもしれません。会場を確保しました。
日程:2015/11/14(土)~11/15(日)
場所:宮城県石巻市
■■■■■============================================================
2.エッセイ「記憶」と「衝撃」
============================================================□□□□□
桃山学院大学経営学部:井上 敏
今年は終戦70年という節目の年。そして阪神大震災からも20年が経ったこと
になる。テレビや新聞などの特集でも戦争遺産や東日本大震災の震災遺構の保
存問題などが取り上げられ、少しでも私たちの記憶の風化を食い止めようとい
う動きが報道されている。
私は大学で博物館学芸員課程のコースの責任者として教鞭を取っているが、毎
年学生さんは巣立っていき、入れ替わっていく。現在の彼らの年齢を考えれば
当たり前だが、今では阪神大震災の記憶を実体験として持つ学生さんはほとん
どいないに等しいのだ。それが関西の学生さんであったとしても。
博物館学芸員課程の私の講義ではエコミュージアムの話をし、その中で記憶
の保存の話もするが、それ以外にも世界遺産、産業遺産、戦争遺産…などあげ
ればきりがないほどのテーマを話す。それなりに勉強して学生さんに講義して
いるつもりだが、一方で正直なところ、自分はどこまで戦争のことをわかって
いるのか、と振り返るようにもなってきた。
その振り返るきっかけとなったのは昨年行われた全国の大学学芸員課程担当者
が集まる会合の為、沖縄に出張した際、沖縄の戦跡めぐりともいえる見学コー
スに参加した時のことだった。歴史は好きだが、戦争、特に第二次世界大戦、
太平洋戦争のあたりというのは敬遠、特に悲惨さが多く語られるところになる
と目をそむけていたというのは否定できない。そういう私が沖縄の悲惨な戦跡、
とくに「ひめゆりの塔」の資料館を見たときの衝撃は言葉にできなかった。
「ひめゆりの塔」に関する知識は多少あったつもりだったが、あの館で語ら
れている少女一人一人のことが書かれているパネルを見た時、自分は何も知ら
ない人間であることを思い知らされた。彼女たちの人生に向き合い、そこに掛
けられているパネルを読んでいた時の胸の苦しさは言葉にできなかった。この
若さで戦場に放り出され、すぐ目の前にアメリカ軍が迫っている中で各自で逃
げろ、と言われた彼女たちに何ができたのか、やり場のない怒りがふつふつと
起きてきたのを覚えている。私は戦後の生まれだから、戦争の記憶というのは
当然全くなく、私の親の世代ですら戦争中の記憶はない。だが、この資料館の
パネルと向き合って、どのようなお題目を唱えられた戦争であれ、戦争という
ものはこのような悲惨な状態を招くことだけは日本人全員が肝に銘じておかな
ければならないことに思えた。
館の壁にかかっている、死んでいった一人一人のことが書かれているあのパ
ネル、そしてそれを読んでいて襲われた衝撃…。少し時間を置いて考えてみる
とエコミュージアムでいう記憶の保存の意味はあのような経験にあるのではな
いか、と思った。記憶を直接持っていない人間にも衝撃を与え、記憶がつなが
れていく…、それが繰り返されていき、個人のものだけでない地域の記憶とな
るのだろうか。改めてそう考えさせられた経験だった。
(井上 敏)
■■■■■============================================================
3.事務局からのお願い
============================================================□□□□□
海外研修旅行について、「日程と行先」は前号でお知らせの通り2015年8月24
(月)~31日(月)の8日間、アベノアエコミュージアム(以前のフルミ・ト
レロンエコミュゼ)とボア ド リュックエコミュージアム(以前のベルギーサ
ントル地区エコミュゼ)。参加者数の把握のため参加を予定されます方は、早
目に事務局までご連絡ください。
現時点で参加確定でなくとも、心づもりのある方もその由ご連絡下さい。
≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として
1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。
▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。
(このメルマガへは返信しないでください。)
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日本エコミュージアム研究会   Japan Ecomuseological Society
事務局:
〒516-2102 三重県度会郡度会町大野木1968-3 中野喜吉 気付
E-mail:   jimu@jecoms.jp
ホームページ http://www.jecoms.jp
口座名義:日本エコミュージアム研究会
郵便振替:00170-0-74380  (会費振込先はこちら)
銀行口座:ゆうちょ銀行 店名:二二八(ニニハチ)普通預金 1624950
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メルマガ91号

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 91号   <2015.03.20>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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今年は、JECOMS設立20周年です。その事業の一環として海外研修旅行を企画い
たしました。ご一緒して、共に学びたいと思います。お知り合いにもお声掛け
いただき有意義なものにしたいと思います。
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【目次】
1.フランス方面・研修旅行案内(概略)
2.被災地とエコミュージアム
3.事務局からのお知らせとお願い
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1.フランス方面・研修旅行案内(概略)
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今夏、フランス方面へのエコミュージアム研修旅行を計画しました。
詳細は、決定次第にJECOMSのホームページ www.jecoms.jp メルマガ等でおしら
せします。
現在決まっている日程は以下の通りです。(詳細は変更の可能性あります)
●日 程:2015年8月24(月)~31日(月)の8日間
●訪問先:アベノアエコミュージアム(以前のフルミ・トレロンエコミュゼ)と
ボア ド リュックエコミュージアム(以前のベルギーサントル地区エコミュゼ)
○申込み締切  :2ヶ月前、旅費振込は1ヶ月前
○取扱い旅行会社:JTB西日本
○発着空港   :関西空港
○参加人員   :15~20人程度まで(申込順)
フランスベルギー国境にほぼ隣接する2つのエコミュゼを訪問しようと思います。
ベルギーの方は世界遺産にも登録されています。
ブリュッセルから入ってパリから帰る予定です。金額は40万円前後で35万円位を
目指しています。ユーロ為替変動次第のところもあります。
エコミュージアム見学には通訳を付け、現地では質疑の時間を作る予定です。
旅行に先立ち多くのご参加をいただくことが第一ですが、事前に質問項目や研修
内容を伝えておくことが大事です。それによって先方へのコーディネート額も影
響します。行かれない人もこんなことを聞いてきてほしいと言うことを教えてく
ださい。
考えられる質問は設立の経緯と変化の経緯、住民の関わり、長期間続いているの
で、地域社会への貢献の内容、組織、運営状況、観光との連携、イタリアエコミ
ュージアムのチェックリストによるチェック、環境と人間の関わりに対する認識
等があると思います。定義等の概論は事前の勉強でできるとしてなるべく具体的
な事柄について聞けたら良いと考えています。活動している方からすれば資金調
達や入場料等自己資金づくりも興味あるかも知れません。実際には全部答えてく
れる訳ではありませんがどんなことに関心のある集団かを知らせておくのは良い
ことと思います。
活動されている方、研究している方にもお声掛けください。申し込み締め切りは
2ヶ月前、旅費振込は1ヶ月前になると思います。旅行会社は JTB西日本に依
頼しています。発着は関西空港にしています。純粋な観光気分の参加の方は満足
度が低く(金額に対して)なるかもしれませんので、エコミュージアムに興味の
ある方の参加を望んでいます。15~20人くらいが適当と思います。現地の移動は
バスになります。
なお、現地で個人的に滞在を延期することは可能です。催行が決まりましたら、
個別に旅行会社(JTB西日本)と交渉します。 同じ航空会社利用での帰国が条件
になると思います。現地集合、現地解散の方はとりません。
(吉兼秀夫)
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2.被災地とエコミュージアム
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NPO法人朝日町エコミュージアム協会副理事長
安藤竜二(蜜ロウソク製造業)
震災後、ガソリンが手に入り、はじめてボランティアに駆けつけた被災地が石
巻だった。町じゅうがグチャグチャ。 憧れの『サイボーグ009』の像達も泥まみ
れで倒されていた。 雪の降る中、専修大学5号棟前のボランティアセンターで即
席のチームを作り、がれき撤去にたずねたお宅は、奥さん一人を残して家族全員
が津波で流されていた。悲惨以外のなにものでもなく、全員ただ黙々と作業をこ
なした。よそ者の私でさえトラウマになりそうな光景なのに、なにもかも失った
被災者の喪失感は計り知れない。
その後、縁があって市内の被災地2ヵ所と関わらせていただいた。
一ヵ所は市北部の雄勝町。ここは地元で採れる雄勝石を材料にした硯(すずり)
や、東京駅の屋根材にも使われているスレートの一大生産地だ。海沿いに広がる
この町は9割の建物が流失し、4300人のうち250人が犠牲となった。
仮設住宅は 500人分しか設置できなかったためほとんどの住民は町外にバラバラ
に避難している。40人いた硯職人も二人が亡くなり、ほとんどの方が町外に避難
している。道具も家とともに流されたため、現在は仮設共同作業場で数人の方が
かろうじて仕事を進めている状況だ。さらに雄勝石の採掘業者も撤退し材料入手
も困難となっている。私はここで二度、雄勝石の燭台づくりに合わせて蜜ロウソ
ク作りの体験会を開かせていただいた。 蜜蝋の黄色に雄勝石の優しい黒はとても
相性がいいのだ。
もう一ヵ所は、住吉町にある石巻惣鎮守の大島神社。川縁には石巻の名前の由
来となった巻石がある。ここは、社殿の被害は免れたものの、これからかさ上げ
される堤防工事により、昔の面影はまもなく無くなってしまう。東北神道青年会
の主催する思い出作りのイベントに招かれ、みんなの作った蜜ロウソクで境内を
優しい灯りで包むことができた。
以来、ずーっと、エコミュージアムは被災地に寄与できないだろうかと考えて
いた。そして先月、同じ思いを持つ日本エコミュージアム研究会の吉兼会長の働
きかけで、石巻市の観光シンポジウムに参加させていただいた。奇しくも会場は
ボラセンのあった専修大学5号棟。
吉兼氏の観光の動向とエコミュージアムの概要を伝える講演の後、私から朝日
町エコミュージアムの具体的な活動についてお話させていただいた。漠然とだが、
高度経済成長期で傷ついた山村「朝日町」のアイデンティティーを、エコミュー
ジアムが取り戻してくれたように、震災で傷ついた被災地にもエコミュージアム
は有効なのではと考えている。
それには、朝日町エコミュージアムが大切にしているキーワード「住民ひとり
一人が学芸員」の方法が大切なポイントとなる。地域の様々な宝(自然・文化・
歴史・産業などの有形無形の資源)について、専門学芸員や教育者が住民に教え
るのではなく、その宝に関わる住民の皆さんに教わり、文章化や催しなど博物館
的な調査・普及活動を共に行い、地域住民みんなで共有するのである。教育委員
会や大学などが培っていた学術的なこととあいまって、宝はさらに魅力あるもの
に磨かれる。さらに、明らかにされた宝を訪れる観光者への説明も、有料で住民
の皆さんにお願いする。朝日町では25年の間に、様々な宝について関わる多くの
地域住民とともに明らかにし、15冊の小冊子を作ることができた。その小冊子を
開けばどれも朝日町民が話しかけてくる。
これらの参加型の取り組みにより、吉兼氏も仰っていた被災地の記憶の井戸を
掘ることになり、様々な宝は、確実に住民の心の財産になるとともに、地域らし
さを失わずに未来の町づくりへ活かせることになる。それは観光者にとっての
「魅力」にもなるし、なにより、震災で希薄となった住民と地域の絆を強くし、
住民流失を防ぐ可能性もある。
シンポジウム後半のワークショップでは、専修大学の先生の指導で「オリジナ
ル街マップを考えよう」と、住民の皆さんがグループに分かれてKJ法による作業
が行われたのだが、大切に心にしまっていた記憶が、地図にみごとに散りばめら
れた。参加者の皆さんの活き活きとした作業風景はとても印象的だった。
アイデンティティーを失わず、地域らしさが活かされる町づくりのために、こ
つこつとしたエコミュージアムの活動は、きっと少しずつしっかりと被災地の力
になれることを信じている。                      (安藤竜二)
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3.事務局からのお願い
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海外研修旅行について、「日程と行先」だけですが、皆さんのご予定のため、
お知り合いにも広報下さい。詳細は、決まり次第、メルマガ等でお知らせしま
す。
≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として
1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。
▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。
(このメルマガへは返信しないでください。)
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