━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本エコミュージアム研究会メールマガジン 153号 <2021.8.8>
発行人:吉兼秀夫 編集:中野喜吉
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
========================================
【目次】
1.研究会2021年度研究大会開催される
2.コロナ禍で取り組んでいる2つのこと
3.事務局からのおしらせ
========================================
■■■================================================================
1.研究会2021年度研究大会開催される
================================================================□□□
去る7/25(日)日本エコミュージアム研究会2021年度研究大会がオンライン
で開催され会員外も含めて38名の参加がありました。
川島尚宗氏(広島大学総合博物館)から「広島大学総合博物館のキャンパスま
るごと博物館・地域まるごと博物館構想におけるデジタルコンテンツの作成」、
馬場憲一氏(法政大学)から「日本におけるエコミュージアム的な取り組みに
ついての考察 ―東京都墨田区「小さな博物館」事業の場合―」、
須田英一氏から(法政大学)「横須賀市におけるルートミュージアムと近代化
遺産の保存・活用」
佐藤真奈美氏から(一般社団法人清水沢プロジェクト)「エコミュージアムの
概念を用いた小さな地域でのまちづくりへの挑戦―北海道夕張市・清水沢エコ
ミュージアムの事例―」の4点の発表がありました。
(詳細は、年度末に発行予定の機関誌に掲載予定です)
■■■================================================================
2.コロナ禍で取り組んでいる2つのこと
================================================================□□□
淺野敏久(広島大学)
すでに大会や研究大会などで何度か報告されていただいていますが,広島大
学総合博物館では,キャンパスまるごと博物館,地域まるごと博物館の活動に
取り組んでいます。前者は開館以来の博物館のコンセプトなので,かれこれ十
数年つづけていることで,後者は当初から意識してはいたものの具体的に動き
始めたのは数年前からです。
広島大学のキャンパスまるごと博物館には,大学の研究成果や収集した学術
標本資料を展示する大学博物館としての側面と,キャンパス内の自然や文化財
に焦点を当てたエコミュージアム的側面の2つの顔があります。大学博物館的な
展示を,本館と各学部などの「サテライト」館で展示しているのでエコミュー
ジアムとしては少し紛らわしいことになっています。キャンパス内の自然や文
化財を対象とする部分については,新型コロナ感染拡大防止の観点から学内へ
の人の出入りを規制しているため,新入学生へのキャンパス案内や,一般市民
を対象とした観察会などが開けなくなってしまいました。2020年度の本博物館
への来館者が前年度の10分の1になってしまったほどです。
そのような中で,遅ればせながら取り組んだのがデジタルミュージアムです。
予算や人力が限られるので,抜本的な対応はできませんが,バラバラだったウ
ェブサイトの入り口を刷新したり,キャンパス内の植栽にQRコード付きのプレ
ート1,000枚を取り付け,実際の樹木とキャンパス内の植物図鑑(ウェブ上のデ
ータベース)と結びつけたり,博物館の施設や活動,その他などについての動
画を作成してYouTubeで配信したりしはじめました。現物の樹木とデータベース
をリンクしたことで,今後,キャンパス内での観察会などで,観察時とは違う
季節の木々の様子(例えば花や実,紅葉など)を観察中にチェックすることが
できます。動画は今のところ授業で活用される事が多いですが,それ以外の方
々にも見ていただけているようで,視聴数が着実に伸びています。コンテンツ
を少しずつ増やしていこうと思っています。リアルのエコミュージアムの活動
の中に,デジタルコンテンツをうまく取り入れていくことで,現地での学びや
体験をより深めていくことができるのではないかと期待しています。
デジタル化と並んで,もう一つ力を入れているのが,地域まるごと博物館の
活動としてエコミュージアム見学ツアーを企画・実施することです。2019年度
に市役所と協働してルートを検討し,モニターツアーを実施しました。翌年度
は実際に立ち上げようと思っていたものの,新型コロナウィルスが広まり出鼻
をくじかれました。ただ,再開に向けての努力はしていて,今年度のここまで
で,学生と一緒にモデルツアーづくりを授業の一環として行い,秋にはツアー
を実施すべく,市民団体や関係機関との調整を進めています。さすがに秋には
コロナの人流抑制もなんとかなるだろうと期待しているところです。
広島大学総合博物館のデジタルミュージアムについては,7月25日のJECOMS研
究大会で報告します(しました)。その報告は「エコミュージアム研究」27号
に掲載予定です。また,後者のツアーに関しても,ツアーを実施できれば「エ
コミュージアム研究」27号で報告するつもりでいます。結果は誌上でご覧いた
だければと思います。
最後に広島大学総合博物館について以下のサイトを参照ください。まだ作り
始めたところなので,中身を作っていくのはこれからです。ご意見やアドバイ
スを頂ければ幸いです。
広島大学デジタルミュージアムのウェブサイト(注:まだ整理されきっていな
いので「広島大学デジタルミュージアム」と文字で検索すると旧サイトが引っ
かかります。次のURLからアクセスお願いします):
https://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/
広島大学総合博物館YouTubeチャンネル:
https://www.youtube.com/channel/UCIG-cL-8huBZ9f0sBM57cxQ
(淺野敏久)
■■■================================================================
3事務局からのおしらせ
================================================================□□□
今までのどこかの会場に集合しての行事に比べれば、直接にお顔を拝見でき
ない寂しさはありますが、会場までの交通費、時間の節約が出来る点は、コロ
ナ後にもメリットある開催方法として残せるかと思います。
今後も、会員であるなしを問わず広く個々人からの直接の呼びかけが参加者を
増やせると思います。積極的なお声がけを期待したいと思います。
会員お一人一人の行動が、会の活動を進めます。行事への積極的なご参加を
お待ちしています。
≪以下は毎号同じです。≫
▼会員の皆さん、それぞれの持ち場での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として
1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。
▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。