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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 104号 <2016.05.15>
発行人:吉兼秀夫 編集:中野喜吉
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間もなく(5/26~5/27)の伊勢志摩サミットに向けて警備体制は強化され地
元では、移動が少々窮屈になっています。
毎年伊勢神宮へ奉納される熨斗鰒(のしあわび)の産地、鳥羽市国崎町(くざき)
では、明治になって途絶え何かある時にだけ行われている儀式 「御潜神事」(み
かぐらしんじ)が、2013年の遷宮以来3年ぶりに先日サミット記念として行われま
した。伝統行事復活は、嬉しいニュースではありますが、儀式の盛り上げには前
もってのアワビを沈めておくという裏話も・・・。
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【目次】
1.DVD『白山神社のしめ縄作り』制作を終えて
2.2016総会及び研究大会・予告(再掲載)
3.事務局からのお知らせとお願い
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1.DVD『白山神社のしめ縄作り』制作を終えて
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安藤竜二(朝日町エコミュージアム)
地元白山神社のしめ縄作りをDVDに収めることができた。多くの神社のしめ
縄が、精巧なビニール製に変わりつつある現状に、千年以上続く「伝統の技」
をマニュアルになるように残したいと思ったのだ。
さっそく、氏子会長を務める白田茂氏(83歳)にお話を伺った。ところが、
いきなり「5年前に見よう見まねで作ったのが最初」と、期待外れの答えが返
ってきてしまった。少々テンションが下がってしまったが、お願いしたことを
引っ込めるわけにもいかず撮影は進めることになった。
白山神社のしめ縄は、稲わらで作っていた。しかし、現在の稲は、昔と違っ
て背丈が短くなったため、何度も繋ぎあわせなければならない。そこで白田氏
は、昔「菅笠」作りに使っていた背丈の長いスゲ(菅)を使うことを閃いた。
暑い8月。背丈以上もあるスゲが刈り取られ、大きな束をズルズル引きずり
トラックに運び入れた。作業場に着くと、すぐに傷んだ葉を丁寧に取り除き、
1~2日天日に当て、その後は陰干しにした。
11月。乾燥したスゲの根元と根元を、麻糸で編んで繋ぐ事前準備があった。一
束繋ぐのに小一時間。作業をしながら、似た編み方で、昔「米俵」や「花むしろ」
を冬仕事で作っていたという話を教えていただいた。
12月。いよいよしめ縄を綯う作業が境内で行われた。しめ縄は左綯い。見本
にするために、白田氏が左綯いの縄を綯ってみせた。すると、左綯いのできな
い70代の氏子仲間達から小さな歓声が上がった。柴などを背負うための「荷縄」
は、ほどけづらいように左綯いで作っていたのだそうだ。
その後も、80代の白田氏が70代の仲間に指導しながら、まるで大蛇と格闘す
るかのようにしめ縄はスムーズに出来上がった。
VTRを編集しながら、このしめ縄作りは、まさに期待どおりの「伝統の技」
だと思い改めることができた。菅笠、米俵、花むしろ、荷縄。先祖から受け継
いできた手仕事の経験から、白田氏の頭の中にはしめ縄作りの方法が誰にも教
わらずとも、あたりまえに浮かんできたのだ。それどころか、藁をスゲに代用
するという現状に合わせた応用もなさっている。伝統技にはこんな伝承の形も
あったのである。
※ご希望の方に販売いたします。朝日町エコミュージアム協会へご連絡くださ
い。電話0237-67-2128
(安藤竜二)
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2.2016総会及び研究大会・予告(再掲載)
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次の日程で総会及び研究大会の開催が予定されています。
〇会 場:広島大学東京オフィス408会議室
〒108-0023 東京都港区芝浦3-3-6
キャンパス・イノベーションセンター
〇日 時:2016年7月24日(日)
13:00~14:00 総会
14:00~17:00 研究発表会
17:00 解散
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3.事務局からのお知らせとお願い
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「総会及び研究大会」の日程は、上記の通りです。カレンダーにマークを。
≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として
1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。
▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。
(このメルマガへは返信しないでください。)
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日本エコミュージアム研究会 Japan Ecomuseological Society
事務局:
〒516-2102 三重県度会郡度会町大野木1968-3 中野喜吉 気付
E-mail: jimu@jecoms.jp
ホームページ http://www.jecoms.jp
口座名義:日本エコミュージアム研究会
郵便振替:00170-0-74380 (会費振込先はこちら)
銀行口座:ゆうちょ銀行 店名:二二八(ニニハチ)普通預金 1624950
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