日本エコミュージアム研究会

Japan Eomuseological Society

 
 

メルマガ90号

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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 90号   <2015.02.28>
発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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去る2月23日には、あなたが主役!地域がまるごと博物館「エコミュージアム」
をテーマに宮城県・石巻専修大学で大学と地元信用金庫との連携で進める地域観
光シンポジウムが開催され吉兼会長と、安藤理事の講演が行われました。
ワークショップでは「オリジナル街マップを考えよう」とグループの分かれての
作業が行われました。

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【目次】
1.NPO北はりま空間博物館の取り組み
2.全国大会2015in東北・石巻(日程の予定)
3.事務局からのお知らせとお願い

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1.NPO北はりま空間博物館の取り組み
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NPO北はりま空間博物館の取り組み
阪南大学 吉兼秀夫
兵庫県西脇市と多可町をテリトリーとする田園空間博物館事業(エコミュージア
ム事業)は国の田園空間博物館事業によって始められた事業である。(国の事業
としては平成21年の事業仕分けで廃止)本来は農業・農村の営みを通じてはぐ
くまれてきた地域資源を歴史的・文化的視点から見直し、伝統的な農業施設や美
しい景観を空間全体として整備・再生し魅力ある田園空間を生み出す取り組みと
して、エコミュージアムの概念を取り入れてスタートしたものである。先日観光
アドバイスのため訪れた西脇市で、北はりま田園空間博物館事業がその後も活発
に続けられていることを知ったので、その活動概要を紹介したい。

北はりま田園空間博物館は当初1市4町(中町、加美町、八千代町、黒田庄町、
西脇市)の領域で始まったが、平成の合併によって領域は西脇市・多可町となっ
た。2001年に登録された道の駅北はりまエコミュージアム(北はりま田園空
間博物館総合案内所)を活動拠点とし、その指定管理者となっている.この収入
が重要な活動資金となっている。

地域は北緯35度、東経135度が交差する日本のへそを標榜するに西脇市を
中心とする。領域人口は64938人(平成27年1月)。面積は317?。
加古川、杉原川、野間側の3川が地域を流れ、異なる文化を共有する。登録サテ
ライトは212館である。サテライトはNPO法人に申請され登録される。年会費は
3650円(通例)である。事業はNPO法人になっており、NPO会員の年会費は年
1200円。会員資格は個人で各部会に所属することになっている。会員数は1
10名である。組織は総会、理事会の下に5つに部会(地域交流部、都市交流部、
総務部、特産品部、広報部)を持ちこれを事務局が支える。そのもとにサテライ
トと特産品納入者が位置する組織構図となっている。事業費は5000万円で、
指定管理の道の駅委託事業収入(事業委託・販売手数料)がその大半を占めてい
る。

各部会の活動内容を見ると、総務(募集・啓発・施設)では会員研修(成功事
例見学等)を行ない、でんくうFUNクラブ(会員以外の事業支援者組織)を募集し、
サテライト募集、視察受け入れ(ラオス青年団も受け入れた)、道の駅施設管理
を行なう。
広報部はニュースでんくうを発行、ホームページ(http://www.k-denku.com)の
運営、サテライト訪問企画などを行なう。ニュースでんくうは毎月発行で150
0部を発行している。でんくうマップは10000部を発行している。イベント
&カレンダーは季刊で30000部を発行。全サテライトを掲載した丸ごとガイ
ドは5000部を発行している。道の駅には情報展示コーナーがあり、サテライ
トの紹介も月替わりで行なわれている。都市交流部ではサテライトの運営支援を
担当し、サテライト交流バスツアーを年10回企画。あぐり(農業)体験バスツア
ーを年2回、サテライト訪問スペシャルツアーを3回開催し、ボラティアガイド
養成講座の開催、サテライトフォトコンテストなどを実施している。地域交流部
は交流企画や運営を担当するが、体験学習室企画(年10回)体験室活用事業、自
然環境調査等を行っている。子供達を対象とした多様な体験プログラムが実施さ
れている。特産品部は収益事業の支援であるが、道の駅広告宣伝、販売促進、そ
の他の事業を行っている。道の駅は35万人以上の来場があり、増加傾向にある
ようである。売り上げも14000万円に達している。

サテライトには日本のへそ公園、播州織工業協同組合、黒田官兵衛生誕地の会、
兵主神社、大城戸社寺屋根職人、旧来住家住宅、播州織工房、西脇大橋ラーメン、
播州毛鉤、播州織パッチワークキルト等、地場産業を中心に多様な業種が含まれ
ている。

JECOMS憲章に見る定義に合致した活動かどうかはすぐには評価できないが、地
域活性化活動を担っていることは間違いない。行政との距離に不安があるが、そ
れだけ自律した活発な活動となっている。道の駅収入が活動を支えていることも
大きい。地域の記憶に丁寧に光を当て、科学的な検証を続けるというエコミュー
ジアムが大切にする活動の持続性は未知数だが、自分たちの宝を自ら活用しよう
という姿は見ることができた。今後見守っていきたい。
阪南大学 吉兼秀夫(文責)

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2.全国大会2015in東北・石巻(日程の予定)
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今年の全国大会は、東北・石巻で皆さんとお会いしたいと思います。
11月14~15日もしくは、11月7~8日頃を予定しています。
詳細決まり次第このメルマガなどでお知らせします。

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3.事務局からのお願い
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≪以下は毎号同じです。≫
▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として

1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。

▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場と
してのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。

(このメルマガへは返信しないでください。)
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日本エコミュージアム研究会   Japan Ecomuseological Society
事務局:
〒516-2102 三重県度会郡度会町大野木1968-3 中野喜吉 気付
E-mail:   jimu@jecoms.jp
ホームページ http://www.jecoms.jp
口座名義:日本エコミュージアム研究会
郵便振替:00170-0-74380  (会費振込先はこちら)
銀行口座:ゆうちょ銀行 店名:二二八(ニニハチ)普通預金 1624950
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