日本エコミュージアム研究会

Japan Eomuseological Society

 
 

メルマガ79号

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 日本エコミュージアム研究会メールマガジン 79号 <2014.3.15>
                 発行人:吉兼秀夫  編集:中野喜吉
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 3月、年度も変わります。それぞれの年頭にたてられた目標、新年度へのご準
備は、いかがでしょう。

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【目次】
1.今年の全国大会予告
2.「コミュニティビジネスの創出を支援」
3.書籍紹介『博物館展示の理論と実践』
4.事務局からのお願い
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1.今年の全国大会予告
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今年度の全国大会・開催地が決定しました。
日時:2014年10月11日(土)~10月12日(日)
場所:福井県勝山市
なお、詳細が決まり次第、メルマガ、ホームページでお知らせします。

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2.「コミュニティビジネスの創出を支援」
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多田さんは、前回阿智村の満蒙開拓団の資料館について投稿していただきました。
本来は、今回の投稿でわかるように、農を中心とした都市との交流を大切にして
多様な活動を行いながら、失われようとする地域の資源を守り活用しております。
また、NPO法人という非営利組織の運営にも関わり、それらを含めて、多田さんの
日頃の活動を紹介していただきました。   (井原満明)

コミュニティビジネスの創出を支援
―触れて、見て、味わい、考え、心に感じる事業を―

NPO法人:農と地域のふれあいネットワーク
    理事長 多 田 憲 市

 平成21年、当法人の農業体験を行う「ふるさとワークステイ」で、福井県を訪
れた東京都のNさんは、DVDとCDを作製し、ワークステイ受け入れ先であった知的
障害者施設ピアファームに贈った。コンサートが開催され、地元で活躍している
楽団、歌手も参加して平成25年には第5回目のコンサートがあわら市の文化会
館で開催された。

 農業の体験を通して都市と地方都市・農村の方々との間に交流が生まれ、大き
な輪につながったケースである。
この様な、「農」が持つ心のふれあいを大切にしたいものである。

〔農ネットの設立の経緯〕
平成16年6月福井県農林水産部の技術者OBが中心となり、
「NPO法人 農と地域のふれあいネットワーク」を設立した。

 当法人の理念は、地域における農林水産業と消費者・地域資源との結びつきを
深め、新しいコミュニティビジネスの創出を図ると共に、農林水産業が地域にと
って、かけがえのない財産であることを普及することである。

〔主な活動内容〕
※梨の木オーナー・梅の木オーナー(育てる楽しさ・収穫の喜び)
「梨の木オーナー体験事業」が始まったきっかけは、ある梨農家の方から、家庭
の事情で続けることが困難になったとの相談を受けたことであった。
 広い梨園を一人で続けることは困難であり、その解決策として梨園の半分は所
有者が管理し、残りの半分はオーナー制にすることが提案された。

 当初オーナー制にすることに地元周辺農家からの反対があった。オーナー制の
導入にともなって、地元住民以外の外部者が出入りすることにより、周辺梨園の
治安とマナーの問題を危惧した声であった。しかし、予想に反してオーナー達の
マナーが良いことに周辺農家たちも感心し、オーナー制度が受け入れられ、今で
は事業として定着している。

梨の木オーナー事業では、草刈、施肥および消毒は梨園所有者が管理し、NPO法
人は講習会の開催とオーナー制の管理運営に当たっている。オーナーの義務とし
て、

①冬期~春期のせん定・誘引②5月~6月にかけての摘果③秋の収穫 がある。
以上3つの作業を実施できない場合はペナルティーとして、1回5,000円を支払う、
代理で作業をした方にその金額が支払われる。オーナーが作業に責任をもつこと
で木を大切に扱い、農業の素晴らしさや難しさを知り、自然と環境を考える良い
きっかけづくりになっている。

 また、「梨の木」および「梅の木」は、その地域の基幹作物であり、オーナー
制の事業により、農家が一定の収入を得られることは大変意義があると考えてい
る。農家と消費者である市民との交流がコミュニティビジネスとなっている。

※ふるさと学級(ふくいの魅力・再発見)
※ふるさとワークステイ
 (田舎暮らしを宿泊体験・福井県の田舎でボランティア)
平成25年度の「ふるさと学級」は、里山学級、里地学級、山村学級、漁村学級、
里山たんぼ学級、山郷学級、森の学級を年30回程度実施している。

 福井県の農山漁村に滞在し、農作業、地域づくりのお手伝いなどを体験する。
滞在期間は2泊~4泊程度で、長期滞在などの研修等については別のプログラムを
用意している。年間延べ50人程度の利用がある。

※地域づくり大会等
最近実施したものでは、平成24年11月に開催された「第11回全国グリーンツー
リズム福井大会」越廼地区(越前海岸)、平成25年11月に開催された「第31回地
域づくり団体交流研修大会福井大会」朝倉・東郷地区、福井まちなか片町・呉服
町地区、越前海岸地区の3地区のコーディネーターとなり、福井の「里地・里山
・里海の自然・食ならびに歴史・文化」などの多角的な視点から考え、様々なア
イディアを頂いた。参加者全員が原点を見つめ直す研修会であった。

〔NPO法人の課題と今後の展望〕
就農希望者に対する対応は、行政の役割、農家の役割、NPO法人の役割を明確
にして、もっと資金的・精神的な支援が必要であると感じている。
当法人は、もっと具体的な取り組みで積極的に支援を続けたいと考えている。

 例えば当法人が実施している「福井の極上米プロジェクト」では「うまい米コ
ンテスト」を開催し、米の食べ比べによる、「米の地域ブランド化支援事業」の
取り組みに着手している。生産者自身や行政の立場では、米の生産地域ごとに評
価した品質等を公開することは難しい。そこで、当法人が良質な米の生産地域を
周知させることで、円滑に事業を進めるための潤滑油となることができるのでは
ないかと考えている。このようにNPO法人しかできない地域の課題はたくさん
ある。

 農林水産業の単なる体験でなく、本物の農林水産業に触れて、味わい、考え、
心に感じる事業を展開したい。
                              (多田憲市)

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3.書籍紹介『博物館展示の理論と実践』
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                             (大山由美子)
タイトル:『博物館展示の理論と実践』著書:里見親幸
(元・丹青研究所代表取締役社長、常磐大学大学院兼任教授、
法政大学非常勤講師、南山大学非常勤講師)

判型:A5判、並製 ページ数:240ページ
本体価格:2800円(税別)出版社:同成社

内容:
博物館展示の基本概念、空間の構成方法、照明の技術等について、豊富な写真と
共に分かりやすく解説。博物館関係者や学芸員を目指す人必携の書。

推薦文:
本書を推薦します。倉田公裕(前・明治大学教授)
展示は博物館の顔である。その実施には、豊かな学殖と絶妙な智恵が要る。
著者は、世界の博物館展示を調査・研究している第一人者で、体験の成果を写真
と丁寧な解説で示し、展示の理論とその実際が良く解かる。類のない優れた展示
論である。

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4.事務局からのお知らせ
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▼ 年度末に発行予定の機関誌、3月に行われた研究大会の原稿の為、発行が予
定より2~3か月遅れます。ご了承ください。

▼ 間もなく、年度が変わります。年会費の納入、お忘れではありませんか?
ご心配の方は、事務局までお問合せ下さい。ご回答します。

▼ 会員の皆さん、それぞれの地域での活動の「ひとコマ」をご紹介下さい。
また、掲載された記事に対してのご意見、ご質問もお寄せ下さい。
メルマガを待って読んでいただけるよう内容を充実させるのも会員お一人お一
人のご参加が決め手です。ご投稿いただきたい記事として

 1.ご自分の地域、あるいは訪問した「各地の活動から」
 2.皆に知らせたい「行事予定のご案内・参加募集」
 3.過去に訪れた場所への「気になる地域へのお伺い(質問)」
 4.今後「会に望む活動」等など、特にテーマを絞りませんのでどしどし投稿
下さい。

▼ 会員外も含む、エコミュージアムに関心をお持ちの方々の情報交換の場とし
てのメーリングリスト[エコミュージアムML]があります。
会員外も参加いただけますので、お知り合いにもご紹介ください。
1.お名前(本名)
2.E-mailアドレス
3.お住まいの都道府県名を事務局までお知らせください。

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