メルマガ6号
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日本エコミュージアム研究会メールマガジン 6号 <2005.11.8>
発行人:吉兼秀夫 、編集人:笹谷康之
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[目次]
1.第11回全国大会(東京大会)の速報
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■1.第11回全国大会(東京大会)の速報
担当理事 大山由美子
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[はじめに]
2005年10月8日に、立教大学池袋キャンパスにおいて、「日本におけるエコミュー
ジアム:これまでの10年、これからの10年」をテーマに開催された。今大会では、
日本各地で推進されている活動の成果を振り返り、共通の課題や地域での課題を
見い出すことで、日本におけるエコミュージアムの新たな展望について意見交換
を行った。
[基調講演]
基調講演では、「田園空間整備事業について」というテーマで山田和広氏(農林
水産省農村振興局整備部地域整備課)と、「文化財保護の目指すもの -天然記念
物を中心として-」というテーマで桂雄三氏(文化庁文化財部記念物課主任文化財
調査官)のお二人からお話を伺った。
山田氏からは、美しく住みよい農村空間を創造するために事業が始められた経
緯や、全国56地区で実施されている成果や課題について紹介された。事業の展開
としては、地域の再認識とともに、地元の人々の考え、人のつながりが大切であ
ること、そして、来訪者との交流が大事であることが話された。
桂氏からは、文化財である天然記念物は時間軸、空間軸、人文軸という要素で
構成されており、我々にとってどういう意味を持つものであるか、事例をもとに
紹介された。そして、文化財は風土に根ざし、長い歴史の中で培われた暮らしの
ための知恵を残し継承していく拠りどころであり、あくまでも人がかかわってい
くことが必要なことが話された。
[フォーラム「これまでの10年、これからの10年」]
フォーラムでは、第1回~第8回までの全国大会が開催された地域から、活動
の成果や課題について報告、意見交換が行われた。
第1部では、朝日町エコミュージアム(安藤氏:欠席のため大山代読)、コウ
ノトリ翔る地域まるごと博物館(菊池氏)、川根地域まるごと博物郷(北島氏)、
瑞穂町エコミュージアム(森岡氏)からの発表があった。朝日町では、活動で培
われた調査データが具体的な町づくりに寄与していく「環境と住民の関わりを探
究し、表わす作業」を行い、行政や諸関係団体に資するようネットワークづくり
を進めていきたいことが紹介された。豊岡(コウノトリ)では、かつて「コウノ
トリ」は「ツル」として人々の暮らしの中に溶け込んでおり、古い人には「コウ
ノトリ」では馴染まないという話から、エコミュージアムの理念や活動も、地域
の人々や活動に「なじむ」ことが大切であると語られた。川根地域では、「千年
の学校」の実施や「川根お茶街道推進協議会」を立ち上げ啓発活動を推進、会員
一人ひとりが地域のオピニオンリーダーとしてかかわっていくことで人と人、人
と社会との新しい関係を見出していくことが話された。旧瑞穂町では、オオサン
ショウウオをシンボルに、住民に対する講演会などを開催し浸透を図ってきたが、
合併後(現、邑南町)における活動推進の課題が示された。
第2部では、津山まるごと博物館(日野氏)、富浦エコミューゼ(酒井氏)、
イーハトーブ・エコミュージアム(今橋氏)、あさんライブミュージアム(林氏)
からの発表があった。津山では、都市型の常設エコミュージアムの実現をめざし
ての活動が進められ、エコミュージアムの推進にはビジョンが必要であることが
他の事例とともに話された。富浦では、2003年にNPO法人富浦エコミューゼ研究会
を設立、持続、自立していくための活動を進め、地元ガイドの育成(有料でのガ
イド)や、行政域を超えた南房総でのポータルサイトによる情報発信などを行い、
活性化への寄与を図っていることが示された。イーハトーブ(東和町)では、住
民団体が宮沢賢治の世界を追求した等身大の活動を推進、近く花巻市(1市3町
合併)になって本来考えていたエリアに近づいている旨が話された。あさんライ
ブでは、活動を継続するうえで自己評価システムを導入しながら推進しており、
2004年度の運営協議会設立10周年を機に「あさんライブミュージアム憲章」を掲
げ新たな一歩を歩みだしている。
[大会まとめ]
吉兼会長から、今大会のまとめが報告された。各地域の発表を受け、エコミュー
ジアムのいいところは「地に足のついた、出来る範囲でやっていこう。疲れたら、
たまには休んでもいいじゃないか」という活動であることや、豊岡(コウノトリ)
の報告にあった「身体的な」「なじみの」という言葉のように、エコミュージア
ムは身体化する作業であること、また、あさんライブミュージアムの自己評価活
動は不可欠であることなどが感想として述べられた。最後に、さらなる博物館活
動として、自分たちの探しだしてきた「お宝」を科学的に評価しながら、次の時
代へ継承すべき活動につなげていくことが大切であることが話された。
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日本エコミュージアム研究会 Japan Ecomuseological Society
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